恋口の切りかた





むっつのしたい。




しかし考えようとする思考が妨げられた。




炎に照らされて、赤く染まった六人の──




胸が苦しくなる。




どこかで見たのと同じ、光景──




「これは──」

唐突に、死体を調べていた青文が上げた声が耳に飛び込んできた。


「ど……どうしたん……ですか?」


私は震える声を出して、




見ないほうがいい。




頭のどこか片隅でそんな声が聞こえたけれど、


何かに引き寄せられるようにふらふらと、青文が強ばった顔で見下ろしている死体のそばに歩み寄って、


襟巻きを外され、露わにされた男の首もとに「それ」を見た。