恋口の切りかた

私は鬼之介の怯えようと、家中でこの人が恐れられていることを思い浮かべて、

ようやく鬼之介の遊水に対する態度の謎が解けた。


おそらく、彼の言うように鬼之介はすぐに遊水の正体に気づいたのだろう。


「ですが私には──鬼之介や円士郎様、そしておつるぎ様、貴女たちのような才はない」

「え……?」


キッパリとした口調で言いきった青文を見て眉を寄せた。


これほどの腕を見せておきながら、何を言い出すのかと、

ゆっくり燃えている提灯に照らされた白い横顔と、周囲に倒れ伏した謎の襲撃者たちとを見比べて──




奇妙なことに気がついた。