恋口の切りかた

どうするつもりなのかな。


行く手には白い漆喰の塗られた塀がずっと続いていて、

カナカナカナ……と、ヒグラシの声が聞こえている。


私はこの道の先で、何をするつもりなのかな。



答えのでないまま、



結城家と比べても見劣りしない、大きな長屋門の前に辿り着いた。

円士郎は訪れているけれど、私がここに立つのは初めてだった。


辺りはすっかり暗くなっていて、
忍び返しを備えた長屋門は、ここの主と同じように無気味な気配をまとってそびえ立っていた。





自分でも理解できないモヤモヤに突き動かされて、


私は城代家老、伊羽青文の屋敷を尋ねたのだ──。



私の行動が、

この日のもう一つの襲撃事件と、
後々にまで影響する事態を引き起こすことになるとは思いもせずに。