恋口の切りかた

嘘だった。


どうしてこんな刻限にあの男がここを通りかかったのか。


俺は、あいつ自身から話を聞いて、その理由を──

隼人がたった今気づき、留玖は未だに知らない、あの金髪の操り屋の秘密を知っている。


しかし──


あいつが留玖にそれを告げていないということは、留玖には知られたくないということなのだろう。

だから、いまいち納得のできない顔で首を捻っている愛しい少女に、俺の口から「それ」を説明することはできなかった。


だが、これ以上つっこんで訊かれたらどうするかなと俺がそんなことを考えていると、


「あ──」

留玖が小さく声を上げて、慌てたようにくるりと体の向きを変えてその場にしゃがみ込んだ。

夕闇に沈みつつある視界にも、耳まで真っ赤になっているのがわかった。


何だ──?


俺は、彼女が背を向けた方向に視線を投げて、



遠目に、遊水と亜鳥が抱き合っているのが見えた。



俺は複雑な気持ちで、二人の姿を眺めた。

彼らは今、どのような言葉を交わし合っているのだろうか──