「加那もあの事件以来、家にこもりっきりで、友人らしい友人もいなくなっちまったしな」
隼人は沈んだ表情で言って、私はこれも円士郎から聞かされて知った隼人と加那と、蜃蛟の伝九郎との因縁を思い浮かべた。
隼人がどうしてこんな頼みをしてきたのかも、よくわかった。
加那という人が怖がらずに表を歩けるようになるためにも、
そして伝九郎との一件で盗賊から狙われる理由ができた隼人と夫婦になるということからも、
身を守ることができるようになっておいたほうがいいのは確かだ。
加那を大切に思う隼人の気持ちが伝わってきて、
ここのところ伊羽青文と亜鳥の婚儀のことで暗い気分になっていた私は、嬉しくなって、
そういうことならお力になりたいですと承諾した。
最近は、加那は隼人の屋敷に来ることも多いようで、
出歩くのが苦手な加那のために、秋山家か加那の相模家に私が出向いて教えるということになった。
体がなまっているから、久しぶりに稽古の相手になってくださいよ、などと言う隼人に
怪我が治りたてで、円士郎の強い打ち込みを受けさせるのもどうかと思ったので、
道場脇の稽古場で、私が木刀を手にして向かい合って──
走り寄ってきた宗助が、円士郎の耳に何事か耳打ちしたのはこの時だった。
「……なに!?」
「今、表に──」
円士郎の顔がさっと曇った。
なんだろうと、木刀を構えた私と隼人は首を傾げて、
「何が何だかわからねえが、町外れのススキ野で鳥英──亜鳥が襲われてる」
円士郎の口からは、とんでもない事態を告げる言葉が飛び出した。
隼人は沈んだ表情で言って、私はこれも円士郎から聞かされて知った隼人と加那と、蜃蛟の伝九郎との因縁を思い浮かべた。
隼人がどうしてこんな頼みをしてきたのかも、よくわかった。
加那という人が怖がらずに表を歩けるようになるためにも、
そして伝九郎との一件で盗賊から狙われる理由ができた隼人と夫婦になるということからも、
身を守ることができるようになっておいたほうがいいのは確かだ。
加那を大切に思う隼人の気持ちが伝わってきて、
ここのところ伊羽青文と亜鳥の婚儀のことで暗い気分になっていた私は、嬉しくなって、
そういうことならお力になりたいですと承諾した。
最近は、加那は隼人の屋敷に来ることも多いようで、
出歩くのが苦手な加那のために、秋山家か加那の相模家に私が出向いて教えるということになった。
体がなまっているから、久しぶりに稽古の相手になってくださいよ、などと言う隼人に
怪我が治りたてで、円士郎の強い打ち込みを受けさせるのもどうかと思ったので、
道場脇の稽古場で、私が木刀を手にして向かい合って──
走り寄ってきた宗助が、円士郎の耳に何事か耳打ちしたのはこの時だった。
「……なに!?」
「今、表に──」
円士郎の顔がさっと曇った。
なんだろうと、木刀を構えた私と隼人は首を傾げて、
「何が何だかわからねえが、町外れのススキ野で鳥英──亜鳥が襲われてる」
円士郎の口からは、とんでもない事態を告げる言葉が飛び出した。



