熱い日差しを避けて、
私と円士郎は、屋敷の塀の周りを囲む水路に降りる例の階段の途中に座って話していた。
「留玖にはまだ言ってなかったことがある」
目の前では水路の水がキラキラと陽光を受けて輝き、反射した光が塀の白壁に涼しげな波模様を作って揺れていた。
「言ってなかったこと?」
私は首を傾げて、横でぱたぱたと扇子を動かしている円士郎を見つめた。
「ああ。……先日、うちに雨宮家の御息女の訪問があったのは知ってるだろ」
円士郎はどう話したものかと迷っている様子でしばらく目を泳がせた後、そんな風に切り出した。
言われて、私は思い出す。
その時はちょうど私は出かけていて、屋敷に戻ったら確かに奉公人たちがそんな話をしていた気がする。
考えてみると、何の用だったのか不思議な気がした。
「あれはな、彼女が俺に会いに来てたんだ」
円士郎はやはり言いづらそうにそう口にして、はあ、と大きく息を吐いてから私を見た。
「佐野鳥英は、雨宮家の娘だ」
私と円士郎は、屋敷の塀の周りを囲む水路に降りる例の階段の途中に座って話していた。
「留玖にはまだ言ってなかったことがある」
目の前では水路の水がキラキラと陽光を受けて輝き、反射した光が塀の白壁に涼しげな波模様を作って揺れていた。
「言ってなかったこと?」
私は首を傾げて、横でぱたぱたと扇子を動かしている円士郎を見つめた。
「ああ。……先日、うちに雨宮家の御息女の訪問があったのは知ってるだろ」
円士郎はどう話したものかと迷っている様子でしばらく目を泳がせた後、そんな風に切り出した。
言われて、私は思い出す。
その時はちょうど私は出かけていて、屋敷に戻ったら確かに奉公人たちがそんな話をしていた気がする。
考えてみると、何の用だったのか不思議な気がした。
「あれはな、彼女が俺に会いに来てたんだ」
円士郎はやはり言いづらそうにそう口にして、はあ、と大きく息を吐いてから私を見た。
「佐野鳥英は、雨宮家の娘だ」



