恋口の切りかた

おひさというその女中は、私や冬馬と同じで十七だった。

親を失って身寄りがなく路頭に迷っていたところを、住み込みで結城家で働く奉公人として雇ってもらえたのだそうだ。

おひさは宗助に片思い中なんだそうで、


「そっかぁ。確かにおつるぎ様と円士郎様は実のご兄妹じゃあないですもんね~。
なのにいつも仲が宜しいなあ、と思ってたら……ふふふ」


あれからおひさと私は仲良くなって、彼女の仕事の合間によく話すようになった。

これまで風佳以外に年の近い女友達がいなかった私には、おひさと過ごす時間はとても楽しかったけれど──


「それで、それで、円士郎様のどこに惹かれてらっしゃるんですか?」


お互いの思い人を知ったおひさとの会話は、ほとんどが円士郎か宗助の話で

キラキラした瞳でそんな質問をされるたびに、私は赤くなってうつむいてしまった。


「だって不思議ですよう。こう言っては何ですけれど、円士郎様はワガママで勝手で粗野で、やることも格好も滅茶苦茶ですし、奉公人の間の評判は最悪ですよ?

剣の腕が立つこと以外何の魅力もないじゃないですか。
おつるぎ様のように気立ての良い方が、いったい円士郎様のどこがお好きなのか」


ヒドイ……。


円士郎が奉公人の間で嫌われていることは知っていたけれど、

実際に生の声を聞くと、ほんとにヒドイ言われようだよエン……。


私は心の中で円士郎に同情の涙を流した。


「もっと素敵な殿方もいらっしゃるのではありません? おつるぎ様はもっと他家の殿方にも目を向けたほうがいいですよ!」


力説されて、私はちょっとムッとした。