恋口の切りかた

しん、と再び道場が静まり返る。

門下生たちがごくりと唾をのみこむのがわかった。


刀丸は受け取った刀を二、三度振った。

「重いかね?」

虹庵がたずねた。

「はい。うーん、あのときは──こんなに重い感じはしなかったんだけど……」

刀丸は少し首をひねって、

しかし虹庵に向かって刀を構えた。



何でもないことのように。



いつもと同じ、少し楽しそうな顔で。



──静寂がその場を支配した。