恋口の切りかた


 【円】

「へぶぉっ!?」

思わず変な声を出して、俺はむせ返った。


いや、まあ……確かに俺や遊水もあの時、鬼之介の長屋でお玉という女にその気があるんじゃないかと、鬼之介をからかったりはしたが……。


この女、本気で鬼之介を──!?

うおお、マジか……。



つまりこいつは──

うちの屋敷を訪れていた鬼之介に惚れて、

町人の女に化け、
「お玉」と名乗って、
鬼之介の部屋に出入りし、
世話を焼いていた……

と、こういうことらしかった。


そこを白輝血にさらわれたせいで、話がややこしくなったのだ。


つくづく、人騒がせなくノ一もあったものである。