恋口の切りかた



「『里』の命」だと──?


何のことかと一様に戸惑いの色を浮かべた俺たちを見回し、宗助は、



「この女は──俺と同じ忍の里出身の隠密です」



と、驚愕の内容を唇に乗せたのだった。