恋口の切りかた

木刀を構えた刀丸を見て──


俺はなぜかぎくりとした。



今日は俺も刀丸と同じ一刀だ。


刀丸は最後に勝負した大晦日のように少し楽しそうに

しかし今は少し悲しそうに

木刀を構えている。


事件以降の表情のかげりを除けば、特にいつもと変わらない。

しかし俺は刀丸から、これまでの勝負では感じたことのない威圧感のようなものを感じていた。