恋口の切りかた

ギガン?

義眼って……作り物の目玉の、義眼だろうか。


「やれやれ、壊れちまったか……。しかしこいつの金属部品のおかげで助かったな」


霧夜はそんな風に呟いて息を吐き、立ち上がった。
本当に大丈夫そうだった。


義眼って──

どうして霧夜の目にそんなものが入っていたのだろう。

いや、それは目玉がないからに決まってるんだけど……


混乱した私は自分でもワケのわからないことを考えて、


あれっ? と首を捻った。

同じように目玉がなくて義眼を使っている人に、この前も会ったばかりだった。


「まさか……暗夜霧夜もだったとは──気づかなかったぜ」


愕然としたような声が聞こえて振り向くと、円士郎がすぐ近くに立って、引きつった表情で片目の男を見つめいて、



「よう、随分と多芸なもんだな。

人気女形の──鈴乃森与一さんよォ」



彼は、くつくつと笑っている霧夜に向かってそう言った。