恋口の切りかた

「この者は……?」

突然の闖入者のせいで、帯刀が気を殺がれた様子で刀を納め、隼人がほっとしたように息を吐いた。

俺は、見計らったかのように出現した棒手振に少しだけ苦笑する。

「俺の友達だ」

「友だと? 武士の身分の者には見えんが……」

帯刀は明らかに不審がっていたが、今の俺には遊水のことについてどうこう言っている余裕はなかった。

遊水にも状況をざっと説明する。


説明して──


「どうする……べきだ?」


思わず、弱気な問いをこの男にぶつけてしまった。

この場で、こいつの盗賊の過去と裏の世界に通じた現在だけがすがりつけるもののような気がした。

「おいおい、エンシロウサマ」と、そんな俺を見て遊水は突き放すように苦笑した。


「『あんたは』どうしたいんだ?」


「俺は──」


手にした二通の書状をぐしゃりと握る。




「こんな脅しに従って捜査から手を引く気などサラサラねえ! ふざけやがって!!」




「な──」

隼人が絶句し、遊水が満足そうに微笑した。

「だったら、俺の『指示』も『意見』も聞く必要なんざねえだろ」

ニヤリと笑う白い顔の横で、


隼人が激昂して俺につかみかかった。