恋口の切りかた

襖が開いて、どかどかと何人もの人間が座敷に入ってくる。

誰かが、私の髪をつかんで顔を覗き込んだ。

「ほォ。男を打ち負かす達人も、こうなっちゃァ意味ねェな」

見覚えのある顔だった。蛇のような印象の男だ。




白輝血の……兵五郎……?




「やるじゃねえかい」


兵五郎が、蚕糸にそう言うのが聞こえる。


「二人はいらねえな。どっちを使う?」


周りの子分たちに、兵五郎が質問している。


「娘のほうだ」


重たく視界を塞いでいく瞼の隙間から、ニヤニヤしている若い剣客の姿が見えて、


「武家の娘を犯すのなど二年ぶりかのう。楽しめるほうがいい……」


蜃蛟の伝九郎という名のその男の言葉に戦慄を覚えながら、



私の意識は

抗えない深い眠りの底へと落ちていった。