俺は奥歯をかんだ。
「ああ、知ってるよ──」
いつか刀丸と河原で交わした会話が脳裏によみがえる。
「だったらなおさら──捨てちまえばいいんだよ、ンなもん!」
「漣太郎……」
「ちくしょう……! オレにはわかんねえよ、先生。刀丸のおかげで助かったのに、なんで自分の子供を──」
そのことだが、と虹庵は考えこむようにしながら言った。
「私は現場を見たわけではないから判断がつかないんだが、あの子は本当に一人で六人もの盗賊を相手にして、全員を斬り伏せたのかい?」
「村のやつらはそう言ってた」
「ふうん──」
「まあ、オレもちょっと信じられない話だって気はしたけど……」
俺が言うと、「いや」と虹庵は首を振った。
「十二才の子供が六人もの大人を一人で斬る──確かに『信じ難い話』ではあるが、『信じられない』話ではない」
そして、虹庵はこう続けた。
「それができるのが『剣術』なんだ、漣太郎」
「ああ、知ってるよ──」
いつか刀丸と河原で交わした会話が脳裏によみがえる。
「だったらなおさら──捨てちまえばいいんだよ、ンなもん!」
「漣太郎……」
「ちくしょう……! オレにはわかんねえよ、先生。刀丸のおかげで助かったのに、なんで自分の子供を──」
そのことだが、と虹庵は考えこむようにしながら言った。
「私は現場を見たわけではないから判断がつかないんだが、あの子は本当に一人で六人もの盗賊を相手にして、全員を斬り伏せたのかい?」
「村のやつらはそう言ってた」
「ふうん──」
「まあ、オレもちょっと信じられない話だって気はしたけど……」
俺が言うと、「いや」と虹庵は首を振った。
「十二才の子供が六人もの大人を一人で斬る──確かに『信じ難い話』ではあるが、『信じられない』話ではない」
そして、虹庵はこう続けた。
「それができるのが『剣術』なんだ、漣太郎」



