恋口の切りかた

座敷で待っていた鬼之介は、俺と隼人を前にするなり「何だその有様は」とへろへろに酔っている俺を見て顔をしかめた。

「どうなっているのだ? 天照のカラクリが解明できたから、至急宗助を借りたいとおつるぎ様に伝言を頼んだのだが……」

「ふえ? 留玖に?」

俺の返答がおかしいのは、酒のせいだ。

「聞いていないのか?」

鬼之介は目を剥いて、解明したという天照のカラクリと、宗助を借りたい理由について述べた。

俺は少しだけ酔いが引くのを感じながら、そういうことならと鬼之介に宗助を貸して──


そのおかげで、命拾いすることになる。

日を改めたりせず、この日、夜になるまで待ってくれていた鬼之介に
俺は感謝しなければならなかった。





謝りたかったが、翌朝会った留玖は目も合わせてくれず、

隼人から泣かせるなと言われた直後に留玖を大泣きさせるような真似をした天罰だろうかと、

俺は二日酔いの吐き気と戦いながら、馬鹿な己の言動に対して遅すぎる後悔をした。



しかし俺が留玖を追いつめたことを本当に後悔するのは、

その日の夜になってからだった。