恋口の切りかた

大きく俺から離れて、留玖は自分の身を守るように両手で肩をかき抱いた。



それを見た俺は、さっき降りていった血が一気に逆流して今度は頭に上るのを感じて、




「そうかよ!」




怒鳴りつけてしまった。




「悪かったな。完全に俺の勘違いだったみてーだ!
俺にはお前が何考えてんのか、もうサッパリわかんねーよ!」


びくっと、留玖の体が震えた。


違うだろ、俺。
そこでキレてどうする!?

こんなずぶ濡れで泣いている留玖に何言ってるんだと思ったが、


雨の中必死に探し回って、その挙げ句こんな拒絶をされて、

俺だって傷ついたんだ、という思いと、

理解できない留玖の態度に苛ついて──


怒鳴り始めたら、後には退けなくなってしまった。


「え、エン……」


怯えた目で俺を見つめてくる留玖に、転がった傘を拾い上げて、無理矢理に握らせて、


「勝手にしろよ! 俺はもう知らねえ」


吐き捨てるように言って、背を向けた。