恋口の切りかた

雨音にかき消されて聞き取れなかったけれど、何か言い合っているようなやり取りに続いて、


「留玖」


振ってきた優しい声に、凍りついた。


「探したぞ……ばか」


雨が止んでいた。


差し出された傘によって、私の周りだけ雨糸が遮られていた。


「エン……」


恐る恐る見上げた先に、



私や隼人と同様に、泳いで来たかのように全身ずぶ濡れになって傘を掲げる円士郎の姿があった。