恋口の切りかた

かああ、っとほっぺたが赤くなるのを感じて、私は再び袖で顔を覆った。


クソ、何で俺があの阿呆の縁結びなんか……と再び毒づく声がしてから、

「俺からも一つ訊いていいですかね、おつるぎ様」

隼人は私の頭から手を離して、そんな風に質問してきた。


「おつるぎ様は、その誰かと誰かが抱き合ってるのを見て、どうしてそんなに取り乱すほど、嫌な気分になったんですかね?」


えっ……?

私は隼人を見上げた。


隼人はこちらを見透かすような目で見ていて、


私は落ち着かない気分になった。




どうして──?




私はどうして、円士郎と鳥英が抱き合っているのを見て、こんなに悲しくて嫌な気持ちになったのかな……。


それは……


そんなの……



「何とも思っていない男や、ただの『兄上』に対してだったら──雨の中で川に浸かるほど大騒ぎしたりはしないでしょ?」



隼人はヤレヤレという感じで首を振って、「それじゃ。俺から言えるのはそれだけです」という言葉を残して、私から離れて──


「アンタなあ、こんな可愛い娘を泣かせるような真似、するんじゃねーよ」

雨の向こうで誰かにそう言っている声が、届いた。