恋口の切りかた

そんな──



私は切れた紐と、隼人の斬撃を受け止める位置に持って行ったままの自分の刀とを見比べた。



確かに、受け止めたと思ったのに……



「小太刀が刀を擦り抜けた……!?」



信じられない気分で呟く私の前で、隼人がビュッと小太刀を濡らす水滴を一振りして飛ばし、鞘に納めた。



私が、小太刀の長さや間合いを測り間違えるわけがない。

居合いの軌道だって完全に読んでいた。




それなのに。




あの瞬間──
刃が合わさったと思った瞬間──

キラキラと隼人の剣が光ったと思ったら、私の刀を『通り抜けて』首の紐に届いた。

まるで、実体のない幻か陽炎のように。


それが、瞬きするようなあの刹那に起きた出来事だった。