恋口の切りかた

隼人が深く踏み込み、居合いのような高速の斬撃が来た。


速い。


でも


この体勢

この位置から

この角度で来る刃の軌道は




読める。




ほとんど条件反射に近い動きで、

その玉響(たまゆら)に、私はその小太刀の一撃を受け止める場所に刀を持って行き──




キラキラと、視界の中で糸のように太刀筋が煌めいた。




ヒュッと、首筋に空気の動きを感じて





「俺の勝ち──ですね」

隼人が言った。




私の首から、結わえた髪紐だけが寸分の狂い無く切れて

スルスルと雨に濡れた地面に落ちた。