『狒狒』──?
以前、虎鶫の銀治郎が語った話をようやく思い出した。
鵺の大親分には、一緒に盗賊の一味を抜けた腹心がいる。
一人は『虎』の暗夜霧夜で、もう一人が──
「女盗賊として鵺の下で知恵を貸してた頭の切れる女でね、
素性は知れねえしどこに潜んでるかもしれねえが、片目の女です」
親分さんはそう語っていた。
それが、この人だというのだろうか。
でも……
私は二つそろった尼僧の両の目玉を見た。
大きく開かれた扉から差し込んだ夕日に照らされた綺麗な顔では、左右で瞳の色が違っている。
右の瞳は色が薄くて、黄色っぽい色に見えて──
ポロリ、と
あの夜と同じようにその右の目玉が落ちた。
以前、虎鶫の銀治郎が語った話をようやく思い出した。
鵺の大親分には、一緒に盗賊の一味を抜けた腹心がいる。
一人は『虎』の暗夜霧夜で、もう一人が──
「女盗賊として鵺の下で知恵を貸してた頭の切れる女でね、
素性は知れねえしどこに潜んでるかもしれねえが、片目の女です」
親分さんはそう語っていた。
それが、この人だというのだろうか。
でも……
私は二つそろった尼僧の両の目玉を見た。
大きく開かれた扉から差し込んだ夕日に照らされた綺麗な顔では、左右で瞳の色が違っている。
右の瞳は色が薄くて、黄色っぽい色に見えて──
ポロリ、と
あの夜と同じようにその右の目玉が落ちた。



