「で? 蜃蛟の伝九郎と何の関係があるんだ?」
隼人が鋭い目になって円士郎に訊いた。
ああ、と円士郎は私を気にしながら頷いて、
「ひょっとしたら、何か話が聞けるかもしれねーぜ?」
隼人にそう言った。
「何しろ──ここにいるのは元盗賊『闇鴉』の一味だった女だからな」
「盗賊ヤミガラス?」
私が口を開くと、円士郎はちょっとホッとしたような顔になった。
「『鵺の大親分』のいた盗賊の一味だよ」
「どういうこと……?」
私は円士郎を見上げた。
「だ、だって……ここに出るのは死体の女の人で……」
「虎鶫の銀治郎からお前も聞かされたろ、留玖」
円士郎はそんな風に言って、
橙色の夕日に照らされた本堂の観音開きの扉を押した。
ギイ、と音を立てて扉が開き──
「おう、邪魔するぜ」
本尊の前に座っていた比丘尼に円士郎は声をかけた。
暗い本堂の中でもそこだけ白く抜けているような白い女の顔がこちらを向いて、
私は思わず「ひっ」と声を出して身を竦ませてしまって、
「おや。仙太さんから、蜃蛟の伝九郎の話は聞けましたか?」
本堂の中からそんな言葉をかけてきた尼僧に、「おかげさまでな」と円士郎は答えた。
「仙太……って誰?」
私が小声で尋ねると、「遊水の昔の名だ」と円士郎は短く言って、
「あんた、『鵺』の頭──『狒狒』だっていう片目の女だな?」
尼僧に向かってそう言った。
隼人が鋭い目になって円士郎に訊いた。
ああ、と円士郎は私を気にしながら頷いて、
「ひょっとしたら、何か話が聞けるかもしれねーぜ?」
隼人にそう言った。
「何しろ──ここにいるのは元盗賊『闇鴉』の一味だった女だからな」
「盗賊ヤミガラス?」
私が口を開くと、円士郎はちょっとホッとしたような顔になった。
「『鵺の大親分』のいた盗賊の一味だよ」
「どういうこと……?」
私は円士郎を見上げた。
「だ、だって……ここに出るのは死体の女の人で……」
「虎鶫の銀治郎からお前も聞かされたろ、留玖」
円士郎はそんな風に言って、
橙色の夕日に照らされた本堂の観音開きの扉を押した。
ギイ、と音を立てて扉が開き──
「おう、邪魔するぜ」
本尊の前に座っていた比丘尼に円士郎は声をかけた。
暗い本堂の中でもそこだけ白く抜けているような白い女の顔がこちらを向いて、
私は思わず「ひっ」と声を出して身を竦ませてしまって、
「おや。仙太さんから、蜃蛟の伝九郎の話は聞けましたか?」
本堂の中からそんな言葉をかけてきた尼僧に、「おかげさまでな」と円士郎は答えた。
「仙太……って誰?」
私が小声で尋ねると、「遊水の昔の名だ」と円士郎は短く言って、
「あんた、『鵺』の頭──『狒狒』だっていう片目の女だな?」
尼僧に向かってそう言った。



