恋口の切りかた

衝撃が胸に広がった。


そりゃ、隼人は腕も立つし、
私のことも女だとすぐに気がついた優れた観察眼があるし、
何も出来なかった私と違って、狐の屋台を前にしてもちゃんと動いていたし、

短時間でも円士郎の信頼を得るには十分だった。


情報の共有者として円士郎が私ではなく隼人を選んだのは、正式にお役目として一緒に事件を調べているから当然だとわかってはいても──


唇を噛む。


──悔しい。


私はずっと昔から円士郎と一緒にいるのに。

私だって、円士郎の役に立ちたいのに……。


「な……なんか俺、凄ェ睨まれてるんですけど」

自分でも無意識に隼人に恨めしげな視線を送っていたらしくて、隼人がたじろいだように一歩下がった。

「え? 留玖?」

円士郎が私の顔を覗き込んで、

私はぷい、とそっぽを向いてしまった。

「え? ええ……? 留玖、何怒ってるんだ?」

円士郎が焦った声を出した。


うう、何やってんのかな私……。


自分でもよくわからなかったけれど、他の人に負けたくなくて──

私はこの時、自分も何かできることをしたいと強く思った。