恋口の切りかた


 【剣】

恐怖の肝試しから数日後の夕暮れ。

円士郎が「浄泉寺に行くから一緒に来い」と、恐ろしいことを言い出して──

七不思議に関わる場所には二度と近づきたくなかった私は、泣いて嫌がったのだけれど、


大丈夫だとなだめすかされ、果てはいい加減にしろと怒鳴られ──

抵抗むなしく、円士郎に手を引っ張られて
再び私は浄泉寺に向かってとぼとぼ歩いて行くハメになってしまった。


こんなことで円士郎を怒らせて嫌われたくなかったし、
手遅れかも知れないけれどあきれられたくなかったし、

他の人相手だったら、断固拒否するのに──


うう、エンのばか!


そんなことを思って、ちょっぴりハッとした。


円士郎は私のことを「死ぬまで嫌いにならない」と言ってくれたけれど、

私も、

どんなにワガママにつき合わされても、
イジワルをされても、
口では「ばか」って言っても、

円士郎のことを絶対に本気で嫌いにはならないなあ、と思った。

絶対に本気で嫌いには……なれないなあ、と思った。


やっぱり、円士郎は一番大切な人で──


だから、円士郎が追いかけている事件の調査でも彼の役に立ちたかった。

それなのに、