恋口の切りかた

隼人が、刀に手を伸ばして片膝を立てた。


「昔の名だよ」


抜きかける隼人にも全く動じる気配を見せず、魔物のような男は優雅に杯を傾けた。


「……成る程な」

俺は笑った。

「あんたがいつも怪しい情報に精通してるのはそういうワケか」

「ほう? 驚かないんで?」

落ち着き払ったまま、緑の瞳は面白そうに俺の表情を眺めた。

「薄々、そんなことじゃねェかと思ってたところだったんでな。
ったく、つくづく得体の知れない野郎だ」