宮子が中から
弱い力で押し返す
それを外から押して
意地悪をする
そんな予定は
外れて
中から
カシャ
鍵をかける音がした
一瞬で状況が
読めない俺は
ドアノブを回し
引いたが
やはり
鍵が掛かっていた
軽くドアをノック
してみたが
何の応答も無い
これは
焦らされてるのか?
それとも
追い出されたのか?
携帯電話の
時計で時間を
確認してみると
2時15分だった
しばらく
ドアの前で
ボッと立って居たが
カンカンと
階段を昇って来る
足音が
聞こえたので
こんな場所に
立っていると
格好悪いし
怪しまれる
とりあえず
俺も階段に
向かって歩いた
丁度俺が階段を
一段降りる瞬間に
また奇跡が起きた
階段を上がって
来たのは
あの軽井沢の
コーヒーソフトを
売っている
旧軽井沢銀座の
喫茶店の
女の子だった
エイカだ!
エイカは
すれ違う俺の顔を
自分の長い髪の毛の
間からちらっと
見たようだったたが
お店に来た事のある
男だとは
夢にも思わないだろう
俺が彼女がエイカ
だとわかったのは
ホクロだ

