「私が織田(おだ)の質となれば、この和積(わづみ)も、しばし安泰とはいえ――」 振り仰ぐ空。 いつのまにか、降るのは湿り気を帯びた牡丹雪に変わっていた。 「……それとても、いつまで続く平和とも知れぬ……」