「霞丸様……っ?」

控えめに主の後ろを歩いていた松雪が、急に足を止めた霞丸に追いつきかけて、あわてて制止する。

「いかがなさいましたか!?」

思いがけない大きさの声に、霞丸が振り返り、松雪に目をやる。