ふと吹きつけた冷たい風に夢から覚めると、眠りに落ちる前には確かにそこにいたはずの玉林の姿はなかった。

灯りの消された室内は薄暗く、寂寥感が漂う。

書き物の最中に急に襲ってきた睡魔に、抗うことが出来ずに、ほんの少しの仮眠のつもりの午睡であった。

当然床など整えてはおらず、背の低い文机に伏していたので、身体中が軋むように痛い。