少年の視線は、定まらぬようでいながら、馬上の吉法師を、ひたりと捕らえていた。
二人の少年が向ける刃の切っ先など、意に介さぬ風で、彼は、ひらりと跳躍した。

「な……っ」

視界から突如として消え去った少年に、供の少年達は絶句し、そして。

吉法師は、背後から放たれる殺気に、ゆるりと振り返った。