「単純な話じゃん」
「え??」
爽君は、笑いながら言った。
「実来が蓮兄さんの事どう思ってるかどうか。これだけ」
「・・・私が先生を・・・」
好きだよ??
それは好きだけど・・・・
「だけどその告白って・・・その・・本・・気なのかな??」
「何でそう思うわけ??」
「え・・だって、先生優しいから。優しさや同情で言ってるんじゃないかって思う自分が居るの」
「蓮兄さんが同情で付き合うってんなら、別に告白いらなくない??」
「え??」
「だって今さ、実来と蓮兄さんは(仮)にも付き合ってんだろ??」
「うん」
「同情や優しさだけの付き合いなら、今のままずっと(仮)で付き合っとけばいいんじゃないの??何でわざわざ告白する必要があるわけ??」
「それは・・・」
「実来を"本当の彼女"として傍におきたいと思ったからじゃないの??」
爽君の話は、納得させられる。
確かにそうだよね。
たとえ(仮)でも、私と先生は今付き合って恋人同士。
先生が同情で付き合っていくなら、わざわざ告白なんて要らないよね・・・。
「俺、蓮兄さんを10年以上見てきてるから言うけど、蓮兄さんは同情だけで人とは関らない人だよ」
「爽君・・・・」
「蓮兄さんが人と関りをもつ時は、その人の魅力や何かに、蓮兄さんが惹かれた時だけ。それは女の人でもそうだし、もちろん仕事上でも同じ事」
「じゃぁ・・」
「俺は信じていいと思う。きっと、蓮兄さんは本気」
それを聞いた瞬間、心臓のドキドキが止まらなかった。
「後は、実来が蓮兄さんをどう思ってるかだね。それを考えたら、蓮兄さんに答えを出してあげたら??」
爽君の言葉は、私の胸に響いた。



