そして、先生が私の目の前に来た。
「お、おかえりなさい」
「ただいま・・」
いつもの先生の顔だ・・・。
「実来、家まで送る。だから今日は帰れ」
「え・・で、でも・・」
なぜか・・帰りたくなかった。
このまま、先生と桜子さんを2人にしちゃいけない気がした。
「俺はあの人と話があるから」
「先生・・あの人は・・・」
すると、先生が私を優しく抱きしめてくれた。
「先生・・・??」
「心配すんな。俺はお前を裏切らない」
「・・・・・先生」
そして先生は私から離れ、私に笑顔を向けた。
いつもの意地悪な顔はなく、25歳の優しい大人の顔。
その笑顔に・・、心臓が反応した。



