「蓮、逢いたかった・・」




桜子さんは、先生の胸に身体を預け、さっきとは全く違う顔をしていた。


まるで、愛しい人の帰りを何年も待った人のような・・安心した顔。





「離れろ、桜子」




だけど、先生は違った。


先生は・・無表情でそう言った。




「どうして?!嫌だ!!桜子離れたくない!!」


「・・・どけって・・・」


「・・・っれ、蓮・・・」




一瞬、先生の顔が、あの日の顔に見えた。


私が、公園で襲われそうになった時の顔。


まるで・・人を殺しそうな目。




そして、桜子さんはすぐ離れた。


いったい・・何なの・・??