実来とあれからバカげた会話を30分以上も続けていたら、いつもの俺達に戻っていた。
時刻は夜の9時。
すると実来が、
『あっ、先生また後で掛けなおす!!誰か来たみたい!!』
誰か来た??
こんな時間にか??
郵便配達か??
「大丈夫なのか??もう9時だぞ??」
『大丈夫!!大丈夫!!』
どこが大丈夫なんだよ・・女一人暮らしのくせに・・
「念のため、電話は繋いでおけ」
『わかりました!!』
念のためだ。
会話くらいは聞こえるだろう。
しばらくして、玄関を開ける音がした。
『はーーいっ!!どちら様で・・・・・・・』
実来の言葉が途中で止まった。
「実来??大丈夫なのか??」
何があったんだ??
そして電話の向こうから、実来の声が聞こえた。
はっきりと・・・
『―――――――章・・・吾・・。』



