「はい・・・。」
実来の声が聞こえてこない。
「実来??」
俺は、実来を呼んだ。
『あ、あの・・』
電話で聞く実来の声は、助けを求める子猫のように弱々しかった。
「どうした??」
気のせいか・・鼻をすする音がかすかに聞こえる。
泣いているのか・・??
俺・・相当実来に心配かけてたのか・・なら・・
「実来・・ごめん・・・」
『せ、先生・・??』
謝るしかない俺って情けない。
だけど、これ以上泣いても困る。
だから俺は、いつものようにふざけた。
「お前の事だから、俺様の声を聞きたくなったんだろ??」
『べ、別に違いますよ!!』
おっ、いつもの実来だ。



