あなたがいてあなたといて【短編】



ズキン…


隼人の言葉に胸が痛んだ。


正直、花音のことがまだ好きな俺。


俺を好きでいることをやめる、と言われてからも花音は俺意外のやつと話すことすらしなかった。



だから、期待してたんだ…


花音も俺のこと好いていてくれているんじゃないかって…



でも、彼氏が出来たってことは…好きな人が出来たってこと。



「夏惟…っ!どうすんだよ?!花音ちゃん取られちまうぞ」


「俺には関係ない」


「はっ?!まだ花音ちゃんのこと好きなんじゃねぇのかよ?」


「……」



「夏惟っ!黙ってんなよ…じゃあ、言うけどさ花音ちゃんそこらの男と付き合ってんじゃねぇぞ?ほら、お前も知ってんだろ!かなりの悪で有名な久保田睦月(クボタムツキ)。」



「…っ」


久保田睦月…



その名を聞いて反応しないやつはいないはず。


不良とかそんなもんじゃない。


人を殺したことがある、とまで噂されるほどのやつだ。