あなたがいてあなたといて【短編】

夏惟のせいでこんなに悩んで悩んで


「夏惟が安心させてくれないからだもん」



そう言って膨れたあたし。

夏惟はそんなあたしの頭をポンポンと叩く。



そんな仕草にキュンとする。


そのまま流されちゃったし

あたしって一体…



このままじゃ辛すぎるんだよ?


遠くで見ているよりずっと辛いよ。


放課後だって、前と同じようにどこか行っちゃうし。


きっと、あの子のところ。


あたし…



前よりずっと、夏惟のこと好きなのに



前よりずっと夏惟がわからないよ


わからない。