あの虎宇からは想像できねぇよ。



まず虎宇と留宇は別の人間だしな。



「初対面で酒ぶっかけられたりしないかな~」

「そんなことすんの虎宇だけだ」

「アレは未だに衝撃的。本気で海に流してやろうかと思ったし」

「お前がアスカにちょっかい出したから虎宇がキレただけだ」



虎宇と駿が初めて会った時、駿がふざけてアスカの腰に手を回した。



それだけで虎宇がブチギレ。



その辺の客が飲んでた酒をグラスごと駿に投げつけた。



『手が滑った』



キレた駿が虎宇につかみかかっても虎宇は顔色一つ変えなくて。



冷静にキレる虎宇の恐ろしさを初めて感じた瞬間。



心の中に闇みたいなもんが見えた気がした。



「ちょっと似たとこあんのかも…」

「物好きだね、雷…」

「ちげぇよ。凶暴じゃねぇから。なんつーか…アイツら独特の抱えてるモン?」

「よくわかんない。まぁ俺は虎宇君のこと嫌いじゃないから賛成だけどね」



お前も物好きだよ。