俺様のカゴの中

留宇が敷地内に入っていく姿を確認してから車を走らせた。



ショックデカっ…。



ありえねぇよ…。



あんなにヤンチャな虎宇があの屋敷の跡取り…。



そんなことばかり考えていたらあっと言う間にクラブについた。



「雷さん、おはようございます」

「あぁ…」

「具合悪いんですか?」

「いや、ちょっと精神的にブチのめされただけ…」

「雷さんが!?」



店のスタッフは俺が留宇と付き合ってることも知らないわけだし。



ましてあんなバカでけぇ家に住んでるなんて知る由もない。



どこまで身を削って働けばあんな家に住めんだよ。



俺なんかと付き合ってる留宇に疑問ばかり。



お嬢様の暇つぶしじゃねぇだろうな…。



なんて一瞬考えたけど、留宇にそんなテクはねぇ。



あんなお嬢と付き合ってんのか、俺…。



「ダァァァァ~!!」

「雷さんが吠えた…」

「モヒート作って持ってこい」

「わ、わかりました…」



もっと上に行かなきゃいけない気がした。