俺様のカゴの中

だけどそれじゃ意味がない気がして。



黙ってよう。



人を頼らず解決できんなら、留宇にとってはそれがいちばんだ。



「なんだこの家…」

「うちです」

「さっきからずっと壁だったのはお前んちの?」

「そうですね」



始めてきた留宇の家は予想以上。



でかい鉄製の門があって、そのずっと奥に巨大な屋敷が見えた。



完璧格差だろ…。



頑張って住んでる俺のマンションだってそれなりにいいとこ。



デザイナーズマンションっぽいし?



高級とまでは行かなくともそれなりに値は張ったし。



なのにこのガキが住んでる家とやらはなんなんだ…。



まるでどっかのアミューズメント施設だ。



「ありがとうございました」

「ん!?あ、あぁ…」

「水曜日、楽しみにしてますね」

「おぅ…」

「お仕事頑張ってください」



頑張るって。



やばいくらい頑張る。



それでも俺はこんな家に住める気がしないけどな…。