俺様のカゴの中

だけどそれくらいわかる。



結婚してる母が誰かを好きになるのはよくないことだって。



「離婚…するの？」

「どうかしら？あの人のことだから体裁が大事なんでしょ」

「不倫だよね…」

「そうね。でもお母さんは悪いと思ってないから。もしアメリカに行くって決めたら、留宇には一緒に来てほしいの。虎宇はムリってわかってるから」



あたしにアメリカに着いてこいって？



そんなのない…。



そんなの勝手だよ!!



「行かない…」

「英語なら昔から話せるから問題ないわよ？」

「違う、行きたくない…」

「どうして？」

「あたしは…お母さんのペットじゃないから…。日本にいる…の。アメリカ…絶対行かないっ!!」

「留宇っ!!」



初めてあんなにハッキリとモノを言った。



ワガママも言わずにおとなしくしてたけど、さすがに限度がある。



やっとできた本当の友達と離れるのもイヤ。



虎宇と離れたら虎宇の見方でいられない。



でもいちばんは…雷さんのそばにいたいんです…。