悩んだあげく、虎宇に電話した。



「付き合った!?雷さんと留宇が!?」

「あぁ」

「マジか…。そっか…」

「問題あんの?」

「あるでしょ。親父からしてみれば留宇なんて会社のための取引材料だから」



そういう意味か。



だから外にも出さずにカゴん中で育てたわけね。



「バレたらヤバいよ、雷さんの店」

「お前の親父って腐ってんな…」

「息子から見ても思うよ。でも俺も協力するから。雷さんに手は出させないよ。それに俺は一生留宇の見方だし」

「ははっ!!キモいぞ兄ちゃん」



だから前に誰のことも好きになっちゃいけないって言ってたわけね。



少しだけ『留宇』という人間を理解した気がした。



「水曜日は楽しませてやって。タイラは俺がどうにかする」

「お前ってスゲーな」

「今更気づいた?じゃ、留宇のことよろしくお願いします」



やっぱり律儀なヤツ…。



育ちか。



前途多難のような気がしてきた…。