俺様のカゴの中

店内の商品を見てまわる留宇はやっぱりさっきのピアスが気に入ったらしい。



「開けようかな…」

「やめとけ。留宇が味わったことねぇ痛みだ」

「注射くらいしたことあります!!」

「ならやってやろうか?」

「雷さんが!?」



冗談なのに目が輝くのは反則だ。



俺だって自分の開けただけで人のはやったことねぇよ…。



「お願いします!!」

「今度な」

「次まで待ってなくなっちゃったら後悔します…」

「俺の店で金払う気か?」

「ダメですか…?」

「自分の女から金取るのはいい気分じゃねぇよ」



ピアスくらいくれてやる。



「これはやるけど、穴はどうしても開けたくなった時に開けろ」

「もらっていいんですか!?」

「欲しいんだろ?」

「でも売り上げ微妙って…」

「…………今日が悪かっただけで全体的に見たら黒字だ」



こんなガキに心配されるって…。



もっと頑張んなきゃダメだと言われた気がする。