俺様のカゴの中

前に留宇が喜んだペットボトルの炭酸飲料と、自分のコーヒー。



ついでにもう1本。



来た道を戻ってボディガードにコーヒーを渡した。



「私に…ですか?」

「アイツなら俺が見てる。一息入れたら?」

「大丈夫です。コーヒー、いただきます」



俺を信頼してねぇ。



笑顔のくせに目が笑ってねぇ。



だけど留宇のプライバシーまで覗こうとしないとこはスゲーと思う。



店の中に戻り、レジカウンターでボケッとしてる留宇にジュースを渡した。



「ありがとうございます!!」



ウソ偽りのない笑顔で笑われちゃ、さっきのイラつきも忘れる。



何モンだよ、お前は。



キャップすら開けられないくせに…。



ペットボトルを奪い取り、蓋を開けたら目を細めて喜んだ。



掴めねぇ…。



「コレカワイイですね」

「ピアスか?」

「カワイイけど穴開けてないからできない…」



本気で残念そうな顔…。



俺もそんなに感情を表に出してみてぇよ…。