結婚式以来会ってなかった父を見つけたのはしばらく経ってから。



虎宇も来てたんだ…。



「留宇は俺の嫁だ。ビビる必要はねぇ」

「でもっ…」

「大丈夫、お前はそばにいればいい」



いろんな人に挨拶をした。



父が何か仕掛けてこないかとビクビクしながら1時間、目の前に現れた父と虎宇。



「手広くやってるらしいな」

「おかげさまで業績も鰻登りですよ。お元気そうでなによりです、お父様」

「君に父と呼ばれる筋合いはないがね」

「そうでしたね、では失礼」



虎宇は一度も目を合わせなかった。



そして父もあたしなんかいないようにこっちを1度も見ない。



やっぱりキツいなぁ…。



「お嬢様、ご無沙汰しております」

「タイラさん!!」

「虎宇様のご無礼、お詫び申し上げます」

「いえ、わかってます。虎宇が飛びついて来ないのは父の手前、敵同士なんでしょうから」

「さすがお嬢様ですね、関心いたしました」

「タイラさんも相変わらずですね」



あたしは雷さんの奥さんだって、しっかりしなきゃ!!