俺様のカゴの中

遺言には雷さんへの謝罪文と善君のことが書かれててたんだって。



雷さんとお母さんが返した借金分だと言って多額の保険金。



「嬉しくねぇよな、そんなことされたって」

「そうだね…。でも雷さんのこと…忘れてなかったんだね」

「俺は忘れてた」



それはウソだよ。



雷さんがお父さんを恨んでたのは知ってる。



そのせいでお母さんが亡くなったんだから…。



「保険金は善のもんだ。俺なんかとは比べもんになんねぇくらい…まともに育てたみてぇだし」

「あたしも頑張る!!」

「程々にな…」



初めて3人で眠った次の朝、目覚ましで起きてしまった善君とキッチンへ。



「えっと…留宇!!」

「どうしました?」

「おしっこ」

「トイレ行きましょう」



トイレに行って、温めのホットミルクを出すとソファーに座って飲みだした。



カワイイ寝癖…。



あたしも学校の準備しなきゃ。



えっ、学校…?



善君がいたら行けなくない!?



幼稚園とか行ってないみたいだし…。