【留宇】



ある日、仕事から帰った雷さんが小さな子を連れてきた。



いや、小さな雷さんと言ったらいいだろうか…。



とにかくミニ雷さん…。



まさかっ…。



「か、隠し…」

「隠し子じゃねぇから」

「じゃあ…公の息子っ…」

「弟」



な~んだ。



雷さんの弟か。



だからこんなにソックリなんだね。



「えっ?おと…弟っ…?」

「先日生き別れた親父が死んだ。残されたコイツ、どうするか…留宇と話し合わねぇといけねぇなって」

「お母さんは…?」

「コイツ産んで死んだんだとよ」

「あっ、うっ…でっ?雷さん…が…?」



とりあえず小さな雷さんにジュースを出してテレビを見せた。



おとなしい子…。



「俺を捨てた時、親戚との縁は完全に切れててアイツの引き取り先がねぇ」

「雷さんが引き取らなかったら…?」

「養子に出そうと思って高宮にいいとこ探してもらってる」

「でも可哀想じゃない…?」

「留宇に迷惑かけたくねぇから。引き取り先が見つかるまではうちに置くしかねぇけど…」



でも雷さんの弟でしょ…?