俺様のカゴの中

俺は保護者じゃねえよ。



そう思いながら留宇を見送った。



「ハァ…」



子守りも疲れんな…。



部屋に戻って新しいパソコンを立ち上げて。



初期設定はお手の物。



さっきまで使ってたパソコンからデータを全部移した。



やっぱり新しいのはいい…。



客のプリクラが貼りまくられてる黒いパソコン。



捨てるわけにはいかず、そのままベッドルームの机の引き出しにしまうことにした。



一仕事終え、ケータイを見るとメールが1件。



『留宇です。今日はありがとうございました。大事にします』



きっとあのゲームソフトのことだ。



バカ正直に料理する姿が目に浮かび、なぜか顔がニヤケた。



メールは返さず、シャワーを浴びてまたパソコンの前。



しばらくすると鳴ったケータイには『新島 虎宇』の名前…。



「なんだガキ」

「留宇が嬉しそうな顔して帰ってきた」

「料理でも始めたか?」

「うん。雷さんってやっぱり俺が思った通りの人」



意味わかんねぇよ…。