俺様のカゴの中

そして留宇が忙しい朝にも関わらず弁当を作るようになった。



「雷さんの分!!」

「おぅ」

「あたしの!!」

「楽しそうだな」

「うん!!行ってきます!!」

「気をつけてな」



学校に行った留宇を見届けてから俺も会社へ向かう。



定期的に病院には通うことになってるし、もう日常生活に支障はない。



さて、仕事頑張るか。



「おはようございます、社長」



毎朝の深見の出迎えにも慣れた。



受け取った社員証を首から下げ、エレベーター。



他の社員は一緒に乗らず、俺と深見だけ。



「副社長、定年ですね」

「あぁ、そうだったな」

「高宮が気にしてました。誰が副社長になるのかと」

「ははっ!!誰だろうな?」

「そんなとこは自信ないんですね」

「どう考えても高宮しかいねぇだろ」

「専務には誰を抜擢する予定ですか?」

「検討中。各部署がいい感じでまとまってきたから大きい異動は避けたい。会長と話し合う」



高宮が副社長なら、かなり仕事が楽になる…。